アウル税理士法人

client _  アウル税理士法人
format _ logo
http://kaikei.management/

 

design _ lits Inc.

 

 

アウル税理士法人様のロゴデザインを制作しました。
共同代表へのインタビュー、そして法人名選考の経緯を共有いただき、企業理念の体現を目指したロゴマークです。

 

 

 

 

共同代表である佐藤等さんと鈴木康弘さんが初めて会ったのは10年前。名刺交換の後に佐藤さんから鈴木さんへ送られた絵葉書は、佐藤さんの自宅にある木彫りのフクロウを描いたイラストと「新たな出逢いに福の神歓ぶ」のメッセージが添えられていました。そして10年の歳月が経ち、共通の知人を介して再会。合流に至るも難航する法人名の選考。その折、鈴木さんのデスクの引き出しにしまいっぱなしだった絵葉書からアイディアを得て、アウル税理士法人の命名に至ります。両氏を繋いだご縁の中心にフクロウがいたという物語をモチーフにしたのが、この度のアウル税理士法人のロゴです。
また、今回の法人化は組織としての永続性を高め、お客様を永続的に支えていくという大きな構想のもとに実現したものでした。組織という人が創り出した道具は、個人の寿命を超えて存続できる機能があります。それは「永続性」の獲得でした。両氏の個人名ではなく、アウルという固有名詞を冠した法人名には、新たな顔となるシンボルが必要だと感じました。

 

 

フクロウのマークは、絵葉書のイラストとそのもとになった置物から着想を受けたデザインです。一般にフクロウのロゴやキャラクターは、世の中に多種多様存在します。参考にした置物は、個性的な造形であったこともあり、ユニークで唯一無二のフクロウとなりました。
理念にある「正しい価値」の表現として、ほぼすべての曲線を正円で描いています。フクロウの羽角は、学びを中核に据える企業姿勢から開かれた本を想起する形状に寄せています。
円の中心にフクロウを据え、両足でともに円(縁)を掴むように配置。前足指二本、後足指二本で安定した掴み方※。加えて、外円とフクロウの頭上には、ある程度の間を与え、この先の成長・発展の伸び代を意図しています。
税理士特有の堅い印象や敷居の高いイメージを払拭することを目指しました。硬さを取るため、丸みを帯びた胴体に。また、多くの人に親しまれ、愛着を持ってもらえる表情を複数の試作から選考しました。
そして、このマークが付与されることによって付加価値が生まれるよう、絵葉書からヒントを得て、郵便物によく見られる特印(消印)の風合いを施しています。
最後にフクロウの背景の円とフクロウの頭部に、“ご縁”から“五円玉”の形状を組み込んでいます。

※モチーフのイラストや置物は、前足指3本ですが、枝に止まるときなどは前足指2本、後足指2本で掴まる方が安定するという説があります。

 

 

アウル税理士法人は、税務にとどまることなく、マネジメントの観点から事業全体を捉える強みがあります。佐藤さんが提唱されるマネジメント会計はその所以です。フォントは、ニュートラルなゴシック系を元に設計しました。明朝系のフォントは、公的な書類のイメージがあり、士業との相性は良いですが、むしろそこにとらわれないことを目指しています。税理士としての公正さから、線の厚みを均一にし、下部を揃えています。すべての曲線は、ロゴマーク同様に正円を基に描いています。最後の「人」の文字は、縁を円で表現し、二つの縁が繋がりあって人を描いています。
英語タイプも、業種を問わず幅広い顧客と接することを考慮し、ゴシック系のニュートラルな印象で整えました。

 

 

ロゴは、見た目の印象を左右する側面に注目されがちですが、企業ロゴに於いてはもう一つ欠かせない重要な機能があります。それは理念の体現であることです。一言では伝えきれない深い念いをロゴに込めることで、組織の内外に説明する機会が得られます。理念は組織の外の世界に伝達すると同時に、ともに働く人々を方向づけるための道具です。同様に企業のロゴは、マネジメントの道具でなければなりません。
例えば、ロゴに円がたくさん使われている理由は、「私たちはご縁を大切にしているからです」と答えることができます。あるいは、絵葉書からヒントを得て取り入れた特印(消印)の風合いは、「絵葉書をモチーフにしています」という説明から統合の経緯についての切り口になります。ロゴに込められた意味合いをスタッフの口からお客様へ、あるいはマネジメントチームからスタッフへ伝達することで、ロゴとしての役割が全うされます。ロゴの説明が企業理念の説明となるよう設計しています。
企業のロゴは、企業理念に寄り添っていなければなりません。最終的な成果物であるロゴのみならず、こうした制作過程も含めてお伝えすることが、企業ロゴ本来の機能と考えています。